夏になると「汗をかく量が増える」「においが気になる」というお悩みが増えてきます。 外出中や仕事中、ふとした瞬間に「大丈夫かな…」と気になる方も多いのではないでしょうか? 現代医学では汗のにおいは「皮脂や菌の分解によるもの」とされますが、 東洋医学では“汗やにおいは体のバランスの乱れのサイン”と考えます。 今回は、東洋医学の観点から、夏の汗やにおいの予防・ケア方法をご紹介します。 ■ 汗とにおいの東洋医学的な見方 東洋医学では「汗は心(しん)」に属し、「体内の気・血・津液(水分)」の状態によって汗の質や量が左右されるとされます。 また、「におい」は、湿熱(しつねつ)や瘀血(おけつ)など、体内の巡りが悪くなったときに強くなります。 汗・においの主な原因と体質傾向 多汗タイプ 気虚(ききょ)・心気不足 疲れやすい、寝汗、動くとすぐ汗をかく においが強いタイプ 湿熱(しつねつ)・肝胆の熱濃い汗、べたつき、体臭や口臭が気になる 汗が出にくいタイプ 気滞・瘀血、むくみ、重だるさ、熱がこもる感覚 ■ 東洋医学的・汗とにおいの予防策 ①「気」を補う:疲れやすい・汗が止まらない方へ おすすめ食材 • 山芋、かぼちゃ、豆腐、白米、なつめ おすすめツボ • 【中脘(ちゅうかん)】:胃腸を整え気を補う おへそとみぞおちのちょうど真ん中 • 【関元(かんげん)】:エネルギーの源を補う おへそから指4本分下 ②「湿熱」を冷ます:においが強い・べたつく汗の方へ おすすめ食材 • 緑豆、きゅうり、セロリ、ハトムギ、苦瓜、薄荷(ミント) 避けたいもの • 油っこいもの、アルコール、辛いもの、甘いものの摂りすぎ おすすめツボ • 【曲池(きょくち)】:熱を冷まし、皮膚症状を整える 肘を90度に曲げた時にできるシワの外側 • 【陰陵泉(いんりょうせん)】:体内の余分な水を排出 膝の内側、すねの骨の内側に沿って指を上にたどり 骨で指が止まるところ ③「巡り」を良くする:汗がこもる・においがこもる方へ おすすめ食材 • しょうが、ネギ、陳皮(みかんの皮)、黒酢、玉ねぎ おすすめ習慣 • 軽めのウォーキングやストレッチで巡りを良く • 湯船にゆっくり浸かり、汗を適度にかくことも大切 ■ 東洋医学的セルフケアまとめ ケアのポイント 方法 食事 体質に合った食材で内臓機能を整える ツボ押し 毎日5〜10分のツボ刺激でバランス調整 生活習慣 夜更かしを避ける、冷たいものを摂りすぎない ■ おわりに 汗やにおいは、体からの「サイン」です。 ただ抑えるのではなく、東洋医学の視点で体質から見直すことで、根本的なケアができます。 暑さで消耗しやすい夏こそ、体の声に耳を傾けながら、内側から整えて快適に過ごしましょう