梅雨から夏にかけて、身体がなんとなく重い、胃がもたれる、食欲がわかない…そんな「夏バテ」の症状に悩まされていませんか? この時期の体調不良は、東洋医学では「湿邪(しつじゃ)」や「暑邪(しょじゃ)」が原因とされ、特に胃腸の働きが弱りやすいのが特徴です。 東洋医学で見る「夏バテ」とは? 東洋医学では、夏バテの原因を主に以下のように捉えます: 湿邪(しつじゃ):梅雨の湿気で身体の水分代謝が乱れ、むくみや食欲不振を招く 暑邪(しょじゃ):強い熱が体力を奪い、気(エネルギー)を消耗する 脾胃(ひい)の弱り:脾=胃腸系の機能が落ち、消化吸収力がダウン これらが重なると、身体が重だるく、食欲が落ち、元気が出ない「夏バテ状態」になってしまうのです。 鍼灸で整える胃腸のバランス 鍼灸は、身体の経絡(エネルギーの流れ)を整え、内臓の機能を活性化させるのに効果的です。夏バテ・胃腸不調の際に特に活用されるツボには以下があります 天枢(てんすう):おへそ横、胃腸全般に効くツボ 位置:おへそ(臍)の両側、外に指3本分(約2寸)離れた場所 探し方:おへそを中心にして、指3本を横に置いた外側のライン上 中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその中間、胃の不快感に 位置:みぞおちとおへその中間 探し方:みぞおち(胸骨の下端)とおへその間を半分に分けたところ(約4寸上) 足三里(あしさんり):膝下の外側、消化力を高め、体力回復にも◎ これらのツボに鍼やお灸を施すことで、胃腸の働きを助け、体内にこもった湿気や熱を外に追い出すサポートをします。 位置:膝のお皿(膝蓋骨)の下端から指4本分下で、すねの外側のくぼんだ場所 探し方:膝を曲げて座る、膝の下のくぼみに指4本を縦に置き、その先端あたりで、すねの骨のやや外側のくぼみを探す 日常でできる夏バテ予防の養生法 冷たい飲食は控えめに。温かいスープやお粥がおすすめ 湿気を追い出す食材:はと麦、冬瓜、しそ、しょうが 睡眠をしっかりとって「気」を補う 軽いストレッチや散歩で「気血(きけつ)」の巡りを促す 西洋医学では見落とされがちな「気の巡り」や「内臓のバランス」を整えることが、夏バテ対策にはとても大切です。 鍼灸やツボ押しを日常に取り入れて、梅雨〜夏を健やかに乗り越えましょう。 当院では暑さによる身体・胃腸の不調などに対しての鍼灸施術を行えますので、興味のある方はLINEまたは電話でのご連絡をお待ちしております。